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遺族の体験を語り継ぐ
江角由利子さん |
訪れた小学校で児童に問い掛ける。「どうしたら夢はかなう」。飲酒事故に巻き込まれた鳥取大生の次女を十年前に失った。二十歳の若さ。夢をかなえるための答えは「生き続けること」。命の尊さを訴える。
今でも次女への罪悪感のようなものがあり、心から笑えない。「事故で人生が一変した」。しかし、「一生悲しむのも人生。社会に貢献するのも人生」と語る道を選んだ。
「夢を持ちながら死んだ人や遺族を少しでも理解してほしい」。授業では次女が小学生時代に将来の夢をつづった作文など「生きた証し」を紹介したり、残された母の思いを語る。
昨年九月に生命のメッセージ展を出雲で開催。一世一代の大仕事のつもりだったが、その後も講演で涙を流す人の姿や聴講者の感想文を読むたびに感じる「思いが伝わった」との充実感が、次の講壇に向かわせる。
島根県斐川町神氷。六十歳。 |