報道関係

2008年(平成20年)12月10日(水曜日) 山陰中央新報
 飲酒運転の車との衝突で娘を亡くした島根県斐川町神氷、江角弘道島根県立大部名誉教授(63)が、妻の由利子さん960)とともに九日、倉吉市東巌城、県中部総合事務所で講演した。
 県職員研修の一環として開催。「亡くなった娘からの生命のメッセージ」と題し、理不尽な死による遺族の悲しみと命の大切さ、安全運転を訴えた。
 一九九九年十二月、智頭町の国道53号で、鳥取大学の学生四人が乗った車が飲酒運転の車に正面衝突され、江角さん夫妻の次女真理子さん=当時(20)=をはじめ三人が亡くなった。
飲酒運転で娘を奪われた悲しみを県職員たちに訴える江角弘道さん
 弘道さんは、遺体を引き取り帰る時の心境、飲酒運転のドライバーに対する裁判で鳥取に通ううちに心的外傷(トラウマ)を受けたことなど、当時の心情を打ち明けた。
 「理不尽な死で遺族は地獄の苦しみが続く」とした上で「飲酒は重大事故につながる。安全運転をお願いしたい」と訴えた。
 由利子さんは、娘に着せたくて買ったというドレスを会場で紹介。「飲酒運転は自分で決めることで、被害者にも加害者にもなる。安全運転を」と呼び掛けた。
 会場には写真などを貼った三人の等身大オブジェや靴なども展示された。講演後、弘道さん「一人でも命の大切さを考えてもらえれば」と話した。
 講演は十日もあり、二日間で中部総合事務所の全職員約三百六十人が江角さん夫妻の講演に耳を傾ける。
 

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