報道関係

2008年(平成20年)12月10日(土曜日) 日本海新聞
講演する江角弘道さん=9日、倉吉市の県中部総合事務所
 九年前に鳥取県智頭町の国道53号智頭トンネル内で、飲酒運転の乗用車に正面衝突されて娘を亡くした島根県斐川町神氷の江角弘道さん(63)と由利子さん(60)夫妻の講演会「亡くなった娘からの命のメッセージ」が九日、倉吉市東巌城町の県中部総合事務所講堂で開かれた。江角さんは「命が大切、この言葉の本当の意味を分かってほしい」と訴えた。
 同事務所職員の交通安全講習会として九、十の二日間で三回開く講師として招かれた。この日は職員百二十人が参加した。
 弘道さんは事故当日、亡くなった娘の真理子さん=当時(20)の遺体を車に乗せて帰宅したときの辛い思いや、その後の加害者への怒り、悲嘆から乗り越えてきた経緯などを紹介。今年出雲市で開いた「生命のメッセージ展in出雲」の様子などを語った。
 「命が大切、私たちがこの言葉の本当の意味を知ったのは、大切な命を亡くしてからだった」と話し、命の大切さを常に考えてほしいと訴えた。
 また、由利子さんは「今日ある命は当たり前のことではない。(交通犯罪は)明日はわが身ではなく、今日はわが身と思い、自分は加害者にも被害者にもならないという気持ちを持ってほしい」と呼び掛けた。
 会場には、事故当時一緒に亡くなった三人の等身大のオブジェが並べられ、その横には由利子さんが真理子さんに着せたかったと今年六月に買ったウエディングドレスも。さらに、鳥取県内の犯罪被害者遺族らの自助グループ・なごみの会やボランティアが作った大きなフェルトのハートも展示されていた。
 

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