報道関係

2008年(平成20年)7月5日(土曜日) 山陰中央新報
事故で亡くなった娘や友人の等身大のオブジェを紹介し、出東小の6年生に命の尊さについて訴える江角由利子さん(右)
 尊い命への思いを折り紙に込めてください−。飲酒運転事故の被害で九年前、成人したばかりの娘を失った斐川町の江角由利子さん(60)と大谷浩子さん(52)が、同町内の小学校を回り、児童らにハート形の折り紙作りを呼び掛けている。小さな手で折った多くの「心」は、九月に出雲市で開く「生命のメッセージ展」で、一つの大きなハートにまとめ、会場を飾る。

 江角さんの次女・真理子さんと大谷さんの長女・知子さんは、鳥取大三年生の冬、乗用車での行楽帰りに事故に遭った。

 同展は、悲しみから立ち上がろうとする遺族によって計画。事件や事故で亡くなった家族の等身大のパネルに、在りし日の写真や愛用の靴などの遺品、メッセージを添え、来場者に命の尊さや飲酒運転の撲滅を訴える。
 折り紙作りの呼び掛けは三日からスタート。四日は出東小を訪問し、六年生四十八人が、同展に対する遺族の思いを聞いたうえで、赤い色紙を丁寧に折った。折り紙は同町内の小中学校六校から集める。
 二人から命の授業 同展は、出雲市駅南町のビッグハート出雲で、九月十二日から三日間開催。全国から寄せられる百三十体を超えるオブジェを展示し、映画やコンサートを交えて生命の尊さについて考える。を受けた井上貴絵さんは「もし事故に遭わなかったらそれぞれの夢がかなえられていたのにと思った。自分や人の命を大切にしたい」と話した。
 

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