報道関係

2012年(平成24年)11月8日(木曜日) 島根日日新聞
交通事故加害者にならないで/出雲工高で命の授業
 県立出雲工業高校(出雲市塩冶町)で六日、卒業を控えた三年生を対象に「命の授業」が行われた。交通事故により娘を亡くした同市斐川町の江角由利子さん(64)が講師となり、自身の経験などを語り、生徒らに命の尊さを訴えた。

 江角さんは一九九九年十二月、当時二十歳だった次女の真理子さんを、飲酒運転による交通事故で亡くした。鳥取大学の学生だった真理子さんは、友人 三人と車に同乗していた。真理子さんらの乗った車は、車線をはみ出した飲酒運転の対向車と衝突。トンネル内の出来事だったため、避けることができなかった という。この事故により真理子さんを含む三人の学生が、尊い命を奪われた。

 江角さんはこの辛い経験をもとに、「全国交通事故遺族の会」に参加。以降、展示会や講演活動などを通し、命に関する啓発活動を行っている。〇八年から一一年までは一般社団法人島根被害者サポートセンターの理事も務めた。

 この日は、同校の人権・同和教育担当教諭が江角さんに講演を依頼した。江角さんが同校で講演するのは、今回で二回目。

 江角さんは、交通事故や犯罪により命を落とした人たちを、故人の等身大パネルとともに紹介する、「生命(いのち)のメッセージ展in出雲」を、同 校の生徒が制作した映像で説明。これから免許を取得するであろう生徒たちに、運転は、少しの油断で人の命を奪うことを伝え、ハンドルを握った時に、このパ ネルを思い出して欲しいと話した。

 江角さんは、「被害者にならない努力はあまりできないが、加害者にならない努力はたくさんできる」とし、技術だけでなく、人に優しい運転をして欲しいと訴えた。
 
生命のメッセージ展in崇徳学園>>

報道関係へ戻る >>