報道関係

2012年(平成24年)9月20日(木曜日) 島根日日新聞
松江市立女子高で「命の授業」/江角さん、事故の悲惨さ訴える

 県や県教育委員会、県警本部などは十八日、子どもたちに命の尊さを教え、規範意識の向上をはかることを目的とした「命の授業」を松江市立女子高校(松江市西尾町)で開いた。「亡くなった娘からの命のメッセージ」と題して、交通事故で娘を亡くした出雲市の江角由利子さんが、全校生徒約三百五十人を前に、命と交通ルールを守る大切さを語った。

 当時、鳥取大の学生だった、娘の江角真理子さんは一九九九年十二月二十六日、交通事故で死亡した。友達が運転する車に乗っていたところ、飲酒をしたドライバーの暴走車両が車線をはみ出し、真理子さんたちの車両に衝突。乗っていた四人のうち真理子さんを含む三人が命を落とした。真理子さんは当時二十歳だった。

 由利子さんは、真理子さんの事故以降、「全国交通事故遺族の会」に参加。事故や暴力行為などで大切な人を亡くした遺族たちが、本人たちのメッセージを伝えようと二〇〇八年、出雲市内で開いた「生命(いのち)のメッセージ展」にも実行委員として加わった。

 冒頭、由利子さんはメッセージ展の記録を紹介。そこでメッセンジャーとして参加した真理子さんたちの生涯を伝えた。

 事故により、季節の移り変わりや花の美しさが分からなくなるほど、苦しい思いをしたことを説明。

 翌年のカレンダーを真理子さんが購入していたことに触れ、「飲酒運転は犯罪だと思っている。真理子は生きたい、夢を叶えたいと本当に必死で頑張っていた」と悔しさをにじませた。

 その上で由利子さんは生徒たちに、たとえ自転車であっても人を殺す凶器となることを強調。「今日、帰るときから気を付けてほしい」と語り掛け、交通ルールの順守を訴えた。
 
 

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