報道関係

2011年(平成23年)3月5日(土曜日) 朝日新聞
遺族の思いにふれて 弁護士会が「生命のメッセージ展」 中京できょう・あす/京都府

 事件や事故で命を奪われた人の遺品展「生命(いのち)のメッセージ展」が5、6両日、京都 弁護士会館(中京区)で開かれる。この巡回展が弁護士会の主催で開かれるのは全国で初めてだ。 京都弁護士会は「被害者が置かれた立場に理解を深める機会に」と呼びかけている。(玉置太郎)  メッセージ展は、事件や事故で大切な人を奪われた遺族らが、人の形をしたオブジェ「メッセ ンジャー」に写真や遺品を添えて展示する。2001年に東京で初めて開かれ、これまでに全国 の延べ95カ所で開催。現在、亡くなった145人の遺族らが参加している。
 京都弁護士会は、会内に「犯罪被害者支援委員会」を設けて、被害者やその家族の支援に取り 組んでいる。今回、メッセージ展の活動を知り、遺族らでつくるNPO法人「いのちのミュージ アム」(東京)に弁護士会館での開催を持ちかけた。
 「娘がメッセンジャーの姿で全国を飛び回り、会場へ行けばまた会える。そこには同じ思いを した仲間もいる。私にとって生きる支えです」。10年前から参加する島根県斐川町の江角由利 子さん(62)はそう語る。
 江角さんの次女真理子さん(当時20)は鳥取大在学中の1999年12月、友人と車で出か けた帰り道、対向車線を越えて突っ込んできた飲酒運転の車と衝突。21歳の友人2人とともに 亡くなった。
 江角さんは巡回展の活動を知り、01年に浜松市での第2回展から参加。オブジェには、真理 子さんが大学の友人との海外旅行先で撮った写真や、愛用していた黒い帽子と靴も添えてきた。  京都の会場では4日夜まで準備にあたった。江角さんは「145人が生きていたことを会場で 感じ、命の大切さを考えてもらえれば」と話す。
 展示は5日正午〜午後5時、6日午前10時〜午後2時。入場無料。5日午後3時10分から は、遺族と弁護士が「被害者の心情と求められる支援」をテーマに語り合う。問い合わせは京都 弁護士会(075・231・2378)へ。
 

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