報道関係

2011年(平成23年)2月16日(水曜日) 島根日日新聞
生きているだけで100点満点/交通事故被害者遺族の江角さん、邇摩高で授業/大田

 「生きているだけで百点満点。どうか命を大事に」…。飲酒運転が引き起こした事故で娘の真理子さん(当時20歳)を亡くした、江角由利子さん(62)=斐川町=が十五日、県立邇摩高校(大田市仁摩町)で、三年生約百人を前に、家族を突然理不尽に失った辛い経験を語った。
 江角さんが理事を務める島根被害者サポートセンター、県などが主催した「命の授業」。

 一九九九年、鳥取県智頭町で真理子さんら四人が乗った軽乗用車に、飲酒運転で対向車線をはみ出してきた乗用車が正面衝突。真理子さんら三人が死亡した。事故から約十一年。江角さんは、命の大切さを見つめることで事故をなくしたいと、各地で講演活動などをしている。
 授業の会場には、真理子さんらの等身大のパネルや写真を用意。江角さんは、事故が起きた状況や当時の心情を生徒に伝えた。授業を受けたおよそ半数の生徒が自動車運転免許証を取得しており、江角さんは、「ハンドルを握る際には、自分の命も周囲の人の命も自分のハンドルに預けていることをしっかり認識してほしい」と訴え、「生きていれば思いは届く。命はあって当たり前じゃない。元気で卒業式を迎えてください」と語りかけた。
 
 

報道関係へ戻る >>