報道関係

2011年(平成23年)2月20日(日曜日) 毎日新聞
命の授業:命を大切にして 事故で娘亡くした江角さん、大田・邇摩高で講演 /島根

 一人前の大人として間もなく社会に出る若い世代に、命の大切さや事件・事故の防止を教える「命の授業」がこのほど、大田市仁摩町の県立邇摩高であった。飲酒運転の車に衝突され娘を亡くした江角由利子さん(62)=斐川町神氷=が講演し、「命は『あって当たり前』のものじゃない。自分の夢のために命を大切に」と訴えた。

 島根被害者サポートセンターが主催。同センター理事でもある江角さん。99年12月、次女・真理子さん(当時20歳)は友人たちと車で岡山県に遊びに行った帰り、鳥取県智頭町の国道53号で飲酒運転で中央線を越えてきた対向車に衝突され、友人2人と共に死亡した。

 授業で江角さんは、亡くなった時の真理子さんの身長と同じ高さのオブジェを横に講演。死が確認された時の衝撃と悲しみを振り返り、「娘が普通に結婚し、赤ちゃんを産み、私より後に亡くなるのが当たり前だと思っていた」などと語った。危険運転で家族を失った他の遺族たちとの連帯で、危険運転の厳罰化を国に求めていった経験なども紹介。「皆さんも運転免許を取得するでしょうが、ハンドルを握る時はこの子たちのことを思い出して下さい。周りの人や自分の命も、自分にかかっていることに気づいて」と、責任への自覚を促した。
【鈴木健太郎】
 

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