報道関係

2010年(平成22年)10月23日(土曜日) 朝日新聞
亡くなった人の等身大パネルを並べて事故防止を訴える江角由利子さん=湯梨浜はわい永瀬
 飲酒運転の車に衝突されて次女を失った島根県斐川町の住職江角弘道さん(65)、由利子さん(62)夫婦が22日、湯梨浜町はわい長瀬のハワイアロハホールで開かれた交通安全県民大会に出席し、遺族の経験や思いを語った。
 真理子さん(当時20)は鳥取大学の3年生だった。1999年12月26日、友人と軽自動車で倉敷市まで遊びに行った帰り道、智頭町の国道53号で車線をはみ出してきた飲酒運転の対向車と衝突し、友人とともに亡くなった、
 「時間がたっても遺族の苦しみや悔しさが消えることは一生ない」と弘道さんは語った。涙で読経できず法事を中断したこともあった。由利子さんは脱力感に襲われ、人と会うのが嫌で買い物にも出られなくなった。
 2人は他の遺族と知合い、お互いに経験や胸の内を語り合う中で癒されたという。他の遺族と協力して、命の大切さを訴えるために被害者の等身大パネルを展示する活動も続けている。
 由利子さんは今も、真理子さんが出産して子供を抱く姿を夢に見る。「命が大切なのは誰もが知っている。でも本当の意味を知ったのは失った後だった。私たちの話で1人でも事故で亡くなる人が減れば」と話した。
(西村圭史)
 

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