報道関係

2009年(平成21年)12月2日(水曜日) 中国新聞
 犯罪被害者週間(11月25日〜12月1日)に合わせ、県内で事件や事故の被害者家族の講演会が相次ぎあった。浜田女子学生遺棄事件にも触れ、被害者への理解と支援を呼び掛けた。
 1999年、ドライブ中に飲酒運転の車に衝突されたため、鳥取大3年の次女真理子さん=当時(20)=を亡くした斐川町の江角由利子さん(61)は、松江市立女子高で講演。「県外の大学に行かせてなければよかったのかと今でも悔やんでしまう」と心境を吐露した。
上:「生きていることは当たり前ではない」と語る江角さん

下:被害者の救済と支援の充実を訴える高橋さん
 事故直後、「ドライブに行かなければ事故に遭わなかった」という周囲の言葉に傷ついたと話し、「被害者がこうした2度目の被害に遭わないように理解して」と呼び掛けた。
 遺棄事件にも触れ、「報道のたびに胸が張り裂けそうになる。被害に遭わなければ、娘も平岡都さんも夢をかなえて世界中を飛び回っていた」と語った。
 地下鉄サリン事件被害者の会代表世話人の高橋シズヱさんは同市の県職員会館で講演。夫一正さん=当時(50)=は95年3月、地下鉄サリン事件に巻き込まれた。「どうして主人が死んだのか。何も分からないまま時間が過ぎていった」と振り返った。
 当時勤務していた会社の上司が一正さんの搬送先の病院に付き添ってくれたことなどを話し、「事件直後からの周囲の支援と理解があったから、ここまでこれた」と早期支援の大切さを訴えた。
 加害者は社会復帰へのプロセスが用意されている一方で、被害者への支援は十分でないと訴え、「いつどこで被害者に遭うか分からない。支援は国や自治体、国民の義務」と話した。
(永里真弓)
 

報道関係へ戻る >>