報道関係

2009年(平成21年)12月4日(金曜日) 山陰中央新報
亡くなった娘に買ったドレスを飾り、命の大切さを訴える江角由利子さん
 松江市立女子校(同市西尾町)でこのほど、人権教育講習会があり、飲酒運転による交通事故で当時、20歳だった娘を亡くした斐川町神氷の江角由利子さん(61)が、命の大切さを生徒334人に訴えた。
 ステージには事故後、江角さんが亡くなった娘に「着せてやりたかった」と買ったピンクのドレスが展示してあり、「娘を奪われた母親の切ない気持ちを分かってもらいたい」と呼び掛けた。
 江角さんは、「1人が生まれるには父母や祖父母と、たくさんの命がつながっている」と説明した上で「娘は命のバトンタッチができなくなった。加害者は娘だけでなく、後に続く何人もの命を絶った」と訴えた。
 また江角さんは、「娘が車に乗らなかったら、大学に進学しなかったら」と後悔ばかりしがちだったが、「加害者が飲酒運転をしなければ娘は元気だった」とし、「当たり前の生活は、大切なものを失って初めて奇跡だと分かる。毎日を大切に生きてほしい」とエールを送った。
 生徒は熱心に聴き入り、1年の若林来留美さん(15)は、「普通に生活できる素晴らしさを両親に感謝したくなった」と話した。
 

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