報道関係

2009年(平成21年)11月4日(水曜日) 山陰中央新報
 犯罪被害者の支援の在り方を考える講演会が3日、浜田市内であり、2001年に大阪・池田小学校で起きた殺傷事件で、長女の麻希さん=当時(7)=を亡くした酒井肇さん(47)が「被害者支援の原点に戻って」と題して講演。報道被害の実態を伝え、支援体制の確立を訴えた。
 池田小の事件は、刃物を持った男が同小に侵入し、児童8人を殺害したほか、児童と教諭計15人にけがを負わせた。
 酒井さんは、事件直後に取材を申し込もうとする報道陣が自宅の電話やインターホンを鳴らし続けたことを挙げ、「多大な報道被害を受けた」と強調した。
 また、自らも「犯罪被害者への支援」という概念を持っていなかったことを踏まえ、支援する側は積極的に支援策を被害者に提示すべきだと提言。「支援の体制づくり、継続的支援、支援の検証が、被害者支援の成功の鍵」と結んだ。
 講演会は、島根被害者サポートセンターと県が開き、市民ら110人が聴講。1999年に飲酒運転事故の被害で次女=当時(20)=を失い、命の尊さを訴える活動を続ける島根県斐川町の江角由利子さんと、酒井さんの対談もあった。
 

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