報道関係

2008年(平成20年)9月6日(土曜日) 中国新聞
 
ハート形の折り紙を生徒たちとオブジェに張り付ける大谷さん(奥右端)と江角さん(奥右から2人目)
 事故や事件で大切な人を失った遺族が命の尊さを訴える巡回展「生命のメッセージ展」が12日、出雲市で始まる。同展に先立ち、交通事故で娘を失った島根県斐川町の遺族2人が5日、同町の斐川西中で1年生と一緒に会場に展示するハート形のオブジェを作った。
  (加納亜弥)
 2人は、9年前に鳥取県内で飲酒運転の車との事故で亡くなった女子大生3人のうち、2人の母親である江角由利子さん(60)と大谷浩子さん(52)=いずれも斐川町。約180人の1年生を前に、大谷さんは教師志望だった長女知子さん=当時(21)=への思いを語った。生徒は大谷さんたちの指導を受けながら見よう見まねで一生懸命に折り紙を作った。江角さんと大谷さんは、出雲市と斐川町の12小中高校などを訪ね、折り紙のハート飾りを並べた巨大なハートマーク作りを進めてきた。

 事件や事故の犠牲者130人以上の等身大パネルを並べる同展はビッグハート出雲(同市駅南町)で14日まで開かれる。映画「〇(ゼロ)からの風」の上映や地元歌手のコンサートもある。3日とも午前9時半開場で初日(午後9時まで)以外は午後6時まで。無料。江角さん=電話0853(72)8379。
 折り紙作りの呼び掛けは三日からスタート。四日は出東小を訪問し、六年生四十八人が、同展に対する遺族の思いを聞いたうえで、赤い色紙を丁寧に折った。折り紙は同町内の小中学校六校から集める。
 二人から命の授業 同展は、出雲市駅南町のビッグハート出雲で、九月十二日から三日間開催。全国から寄せられる百三十体を超えるオブジェを展示し、映画やコンサートを交えて生命の尊さについて考える。を受けた井上貴絵さんは「もし事故に遭わなかったらそれぞれの夢がかなえられていたのにと思った。自分や人の命を大切にしたい」と話した。
 

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